【現役公務員が解説】人事院勧告の差額支給とは?いつ・いくらもらえるのか

公務員

こんにちは。かずねこです。

秋ごろになると、公務員の間で必ず話題になるのがこの言葉。

「今年、人事院勧告どうなる?」
「差額支給って、結局いつ入るの?」

ニュースでは報道されるものの、制度や仕組みが分かりにくいのが人事院勧告の差額支給です。

この記事では、人事院勧告による差額支給仕組み・対象・支給時期・注意点を現役公務員の視点でわかりやすく解説します。

自分自身も詳しく知っておきたかった内容に整理していますので、ぜひご覧ください。

本題に入る前に、当ブログの紹介をさせてください。

そもそも人事院勧告とは?

人事院勧告とは、”国家公務員の給与水準を、民間企業の給与と比較して調整する制度”です。

「民間」と「公務員」の4月分の給与
「民間」と「公務員」のボーナス

をそれぞれ比較して、

民間の給与の方が高い→ 公務員の給与も引き上げる勧告
民間の給与の方が低い→ 公務員の給与も引き下げ勧告

民間のボーナスの方が高い→公務員のボーナスも引き上げる勧告
民間のボーナスの方が低い→ 公務員のボーナスも引き下げ勧告


という仕組みになっています。

※地方公務員の場合も、多くの自治体が 人事院勧告に準じた給与改定 を行います。

人事院勧告で「差額支給」が発生する理由

ここが一番重要なポイントです。

なぜ差額支給が出るのか?

人事院勧告から差額支給までの流れは、次のように行われます。

差額支給までの流れ
  • ステップ1
    4月ごろ

    民間と公務員の給与・ボーナスを比較

  • ステップ2
    8月ごろ

    比較した結果を基に、国会へ公務員の給与・ボーナスの引き上げまたは引き下げを勧告。→これが「人事院勧告

  • ステップ3
    11月ごろ

    国会で給与の改定が決定。実際の給与反映は後日。

  • ステップ4
    12月ごろ

    条例改正。給料表の改定

  • ステップ5
    12月~1月ごろ

    給与改定によって発生した差額の支給または控除→これが「差額支給

人事院勧告による給与改定の基準日は4月1日に設定されることがほとんどです。

つまり、4月〜改定月まで本来上がっているはずだった分をまとめて後から支給する。

これが人事院勧告による「差額支給」が発生する仕組みです。

差額支給の対象になるもの

人事院勧告による差額支給は、主に次の項目が対象です。

基本給(給料月額)
 →級・号給の差額分

 ・地域手当
 →基本給を基準に支給されるため連動して変更

ボーナス(期末手当・勤勉手当)
 →こちらも基本給を基準に支給されるため連動して変更されます。
  勧告によっては、ボーナス(期末手当・勤勉手当)の支給月数そのものが変更になることも。

扶養手当・管理職手当(該当者)
 改定内容によっては対象になることも

⚠️ 注意:住居手当・通勤手当などは、基本給を基準として支給されていないため、原則として差額対象外であることが多い。

人事院勧告の差額支給はいつもらえる?

差額支給を受け取る時期については、大きく次のとおりに分けられます。

・12月の給与 または冬のボーナスと同時に支給 

・12月末頃に支給

・1月の給与と同時に支給

※自治体ごとによって、支給時期が異なります。

いずれの場合でも、受け取る額が変わることはありませんが、もらい方によって心理的に違いが出てきます。

差額支給はいくらもらえる?

それでは、実際にいくらの差額支給がもらえるのかを計算してみます。

一例として(※モデルケース)

・4月に新卒で入庁した職員
・入庁当初の基本給は、212,100円
・地域手当は基本給の10%(21,210円)
・改定後の基本給は、224,100円(+12,000円)
・ボーナス(支給月数4.6か月分)の改定なし、時間外勤務もなし。

以上の前提条件を基に差額支給分を計算していきます。

〇基本給

計算式:(改定後基本給-改定前基本給)×改定月数

モデルケース:(224,100円-212,000円) × 9か月 = 108,000円

〇地域手当

計算式:(改定後地域手当-改定前地域手当)×改定月数

モデルケース(22,410-21,210円)×9か月=10,800円

〇ボーナス

支給月数の改定は無くても基本給が上がることで差額分が支給されます。

計算式:(改定後基本給-改定前基本給)×支給月数

モデルケース:(224,100円-212,000円)×4.6か月=55,200円

差額支給の合計

108,000円(基本給差額)+10,800円(地域手当差額)+55,200円(ボーナス差額)174,000円となります。

ここから所得税、社会保険料が引かれるため、手取りは支給総額の7~8割程度 になることが多いです。

差額支給計算ツール:差額支給額はいくら

差額支給の計算方法について理解したところで、差額支給の額が簡単に計算できるツールを用意いたしました。

必要事項を入力するだけで、大まかな差額支給の額がわかります。

ここで計算した額はあくまでも目安です。実際の支給額は、各自治体の条例や計算方法により異なりますので、各自治体の給与担当者の説明をよく聞いてください。

差額支給計算ツール(公務員向け)
差額支給計算ツール



 

※空欄の場合は、時間外手当分は0円として計算します。

引き下げ勧告の場合はどうなる?

ここまでは、給与の引き上げ改定を前提にお話ししてきましたが、当然引き下げ勧告もあります。

実際にコロナ渦では、基本給の引き下げこそありませんでしたが、ボーナスの引き下げ改定がありました。

このような場合は、

差額支給は発生しない
もしくは マイナス調整(差額控除)

になることがあります。

ただし、近年は民間の給与が上昇基調であることから引き下げ勧告はめったにありません。

現役公務員の差額支給に対する考え方

大げさに思われるかもしれませんが、差額支給の使い方が今後の人生を左右すると考えています。

人事院勧告の差額支給は、心理的、感覚的には「ボーナス」や「 臨時収入」と思いがちですが実際は本来、毎月もらうはずだった給料の後払いです。

だからこそ、なんとなく差額支給を使ってしまうのではなく、自分の将来に向けた使い方をしっかり考えて使いたいお金だと思います。

具体的には、僕は「FIRE」を目指しているため、全額を投資につぎ込んでいます。

差額支給で受け取った額は十数万円ですが、将来的にこのお金が100万円単位に膨れ上がることを期待しています。

まとめ|人事院勧告の差額支給を正しく理解しよう

ここまでをまとめると、

  • 人事院勧告は民間給与との調整制度
  • 給与改定は4月に遡って適用され、そのズレを埋めるのが「差額支給」
  • 支給は12~1月前後

以上をおさえておくことで、人事院勧告による差額支給の基本については理解できていると思います。

差額支給に限らず、給与の仕組みを知っておけば、「急に給料が増えた」「減った」理由に振り回されずに済みます。

この機会に、ご自身の給与全般について勉強してみてはいかがでしょうか。

最後までご愛読いただきありがとうございました。

公務員の給与やボーナスについては以下の記事で詳しく解説していますのであわせてご覧ください。

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